2007年04月18日

右手を挙げるバガヴァン

 十二月十三日、第四回目のディクシャは願望成就のワラディクシャである。
 会社は何とか廻ってはいたが、書籍の売り上げは相も変わらずよくはなかった。
 「年商を一〇億円にして下さい」巫山は井の一番に配布された用紙に書き込んで渡した。
 かつてサティアローカでバガヴァンから直接言われたことがあった。
 「あなた方は億万長者に成れます。ただし、奥さんとの関係次第です」
  途方もない預言に戸惑いが走った。今の経済的苦境を見れば、リップサービスとしか思えなかった。
  一体どんな手立てがあるというのか。魔法でも起こしてくれるというのか。巫山はバガヴァンの顔をまじまじと見つめていた。
  「あなたは奥さんを愛していません」
  不意を付かれたかのように巫山の目ん玉の白黒が入れ替わった。すぐに来し方をあれこれと自省してみたが、そんなことはない。精一杯やっているつもりだと、内なる声が反駁する。あれから六年あまりが経った。相変わらず貧乏会社のままである。

 シャバ・アーサナになる。
 「今すぐ私の願いを叶えてください」
 アンマとバガヴァンがどうも引いたような感じがした。
 「一〇億円では余りにも無謀な数字だ、一億円にした方が-----」との想いがずっと心の片隅にあった。
 巫山の心底には一億円というイメージがずっと浮かんでいる。
 「アンマ、バガヴァン一億円でもいいですよ」
  OKでもあり、そうでもないようでもあった。マインドの成せる業(わざ)なのか本当に承諾してくれたのか、の判別が曖昧だった。
 ダーサジーアガスティヤル「予め設定をしておくと、マインドがそう言っているのかそうでないのかがよく分かります」
  たとえば「OKの場合は明るい光がやって来る、NOの場合は暗い光がやって来る」
 「OKの場合はバガヴァンが右手を挙げる」
  暖かい明るい光がやって来て、何度もバガヴァンがほいほいと右手を挙げた。
  巫山「本当かなあ、今夜部屋でもう一度チャレンジして確認せねば」。

posted by 巫山 at 10:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説ディクシャ
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